島根大学教育学部 環境・理科教育推進室「環境寺子屋」

 

 

 

 

  不耕起栽培と冬季湛水

 ここでは、不耕起栽培と冬期湛水について説明します。

不耕起栽培とは

 不耕起栽培とは土を掘り起こしたり反転させたりしないで行う栽培のことを言います。

  不耕起栽培のメリット

 耕さないため、耕耘機を使ったあら起こしや代かきなどの作業をすることなく、田植えを実施できることができます。そのため、労働時間の短縮と燃料の消費を抑えることができます。経験を通して実感したことは、稲の根の張り方が耕起栽培に比べて深く、しっかりと丈夫な稲ができます。私たちの思いですが、この手作業を通じてできた米は特においしく感じます。

  不耕起栽培のデメリット

 不耕起栽培用の田植機も開発されているようですが、私たちは手作業で植えていきます。そのため、多くの人手と労力が必要なります。個人で行うには大きなデメリットですが学生の体験としてはメリットになると考えています。水田は耕すことによって土壌の微粒子が水田の下部に浸透し水漏れを塞ぐようです。私たちが行った川縁の水田では耕さないと土壌の隙間が空いたままになり水漏れを起こしやすくなるようでした。

冬期湛水

 冬期湛水とは稲刈りが終わった後に水田に水を張っておくことを言います。

  冬期湛水のメリット

 冬にも水田に水があることから、稲株などが分解して肥料分となり、雑草の繁茂を防ぎます。通常の水田は、冬は水を張らないため、冬期湛水の水田は冬に冬眠からさめて産卵するヤマアカガエルやニホンアカガエルにとっては重要な産卵場所となります。その他の水生生物にとっても貴重な冬の生活の場、越冬の場となります。最近はハクチョウなどの水鳥を呼び寄せるために冬期湛水が行われる場合があるようです。

  冬期湛水のデメリット

 冬期湛水をして土壌が柔らかくなると、大型機械を用いる場合、車輪が土にうまり農作業がしにくくなるようです。そのため普通の水田は、排水のしくみが埋め込まれ水田が乾燥しやすいように作られています。私たちのように手作業で田植えや稲刈りをする場合のデメリットはあまり感じません。

 

<引用・参考文献>
 ①岩澤信夫(2003)不耕起でよみがえる、日本不耕起栽培普及会、創森社、271頁
 ②日本不耕起栽培普及会ホームページ http://www.no-tillfarming.jp/about_fukouki.html
 ③民間稲作研究所編(1999)除草剤を使わないイネつくり、農文教、239頁